2024年01月26日

なぜ戦略が必要かを理解する #1135

第1135回の今回は
なぜ戦略が必要かを理解する
というテーマでお送りします。




1. 戦略の必要性を理解すること。
2. 戦略の前提条件としての現状を理解すること。
3. このことから必然的に導かれる戦略の合理性を理解すること。

戦略とは、何を捨てるかの基準を与えてくれるもの。言い換えると、
戦略は万能感に支配されずに人生を生きるためのツール。
そして、目的達成のためのツールであると同時に、
自分という人間をより深く理解するためのツール。

何故戦略が必要か。

それは、時間が有限だからです。例えば、残り1年となったとき、東大入試の数学だけなら、
合格点を取らせることはできます。あるいは、英語だけなら合格点を取らせるように指導できます。
どんな科目でも1科目だけなら、合格点を取らせることができます。

ですが、このことと、共通テストで85%以上の得点をとり、
個別試験の数学、英語、国語、物理、化学を合わせて
合格点を取れるようにできるかということは、全く別の問題なのです。

ここに戦略を立てることの重要性があります。

次にすべきことは、現状を理解することです。

理科系の入試でまず確認しなくてはならないのは、数Vの微積分習熟度です。
例えば、高2の冬の段階で、数Vの微積分が未修だった場合は、かなりの注意が必要です。
計算の速度と正確さ、式の扱いの習熟度なども同時にチェックする必要があります。

もう一つは、英語です。英文法の習得の度合いは、大きな影響を持ちます。
主語とそれに対応する述語動詞が特定できること。
修飾語句に対して被修飾語を特定できること。
時制とは何かがわかっていること。品詞とその働きが理解されていること。
などです。


そして具体的な目標を決定し、戦略を立てます。

ここまでのことが理解できれば、戦略と目標設定は一体のものであることも当然だと受け入れられるはずです。
初めに目標ありきという発想法は、万能感の肥大がもたらす妄想であることも理解できるはずです。
万能感に支配されないために戦略が必要なのであって、肥大した万能感を満足させるために
戦略を立てることはできなことも理解されるはずです。

捨てて捨てて、捨てるからこそ、合格するのです。

再生時間は6分半です。ぜひ聴いてみて下さい。

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2024年01月19日

「今を生きる」ということ  #1134

第1134回の今回は
「今を生きる」ということ
というテーマでお送りします。



今、お腹いっぱいなんだけど、

授業中にお腹が減ってしまうと困るから、

ご飯をもう一膳いただいておこう。

結果、食べすぎちゃった。

すごく気持ちが悪いかも。

となってしまいます。

こういうことを私は毎日しています。

これは、今を生きていません。

今を生きているとは、

お腹も腹八分目でいい具合。

すごく満ち足りていい気分。

このこと以外考えない。

夜にお腹がすいたらどうしようなんて考えない。

何にも考えず、おいしかったな、といって満ち足りた幸福に浸っていること。

幸福の中に漂う感じでしょうか。

過去問ができない、手がつかないという受験生は多いと思います。

まだ、早いから。

試験日までまだ時間があるし、

もうすこし実力がついてからやればいい。

試験直前までとっておいて、その時に力試しすればいい。

いろいろと理由はつくるのですが、

結局、試験が終わるまで過去問をやることはない

やったとしても前年度分を1回時間を計って

やっただけとか、その程度で終わる受験生が多いと思います。

なぜでしょうか。

過去問をやることが怖いからです。

過去問ができなかったらどうしようと恐怖や不安に支配されるからです。

つまり、今を生きていないのです。

なぜ今を生きられないかと言うと、

万能感に支配されているからです。

過去問ができなくても、試験に合格できない、なんて思う方がナンセンス

ですが、万能感に無自覚だと、勝手な決めつけを行ない、

その結果、不安や恐怖でますます身動きができなくなってしまいます。

今を生きると最短距離で試験に合格できます。

最適な道を無抵抗に、楽に歩んでいけるからです。


再生時間は6分半です。ぜひ聴いてみて下さい。

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2024年01月12日

受験直前によくあること #1133

第1133回の今回は
受験直前によくあること
というテーマでお送りします。



受験生が、試験直前に熱を出すことがよくあります。

周りの大人たちは、この現象の心理的な側面を理解しておくことが重要です。

なぜ受験生が試験直前に熱を出すか。
それは、不合格だったときの言い訳を作るためです。
熱で試験に行けなかった。
熱で試験で実力を発揮できなかった。

全部体調のせいにできます。
そういう逃げの心理が働いているわけです。

こういう状態に至ったら、周りの大人は、親は、見守るしかありません。

ただただ、その子を見守るということです。

見守って、こういう逃げは許さないと思っていればいいのです。

これも自立の一つの過程なのです。

温かく、しかし、厳しく、見守る。

そして、一番大切なことは、
親自身、指導者自身、の中に病気を理由にして責任から逃げたいと思う
幼児的な心がないかをよく内省することです。



再生時間は7分半です。ぜひ聴いてみて下さい。

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2024年01月05日

自分の意志で生まれてきたとすると #1132

第1132回の今回は
自分の意志で生まれてきたとすると
というテーマでお送りします。



選択と集中を感情的に拒否する人が多い。
選択と集中は、捨てることが前提となる。
ここに感情的に反発するように思える。

なぜだろう。

そもそもの話をしたい。

自分は、自分の意志でこの世に生まれてきた。

この両親の下に生まれたら、

こんな遺伝子を受け継ぎ、

こういう環境を持つことを想定して、

生まれてきた。

このように考えてみたらどうだろうか。



再生時間は12分半です。ぜひ聴いてみて下さい。

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2023年12月29日

高慢さ怠惰さ、そして学ぶこと #1131

第1131回の今回は
高慢さ怠惰さ、そして学ぶこと
というテーマでお送りします。



何故、人は学ばなくてはならないのだろうか。

高慢で怠惰な自分と向き合って、それらを克服するために学ぶのです。

学ぶとは先人に対する敬意を養うことでもあります。

高慢や怠惰は、敬意にその席を譲るからです。

だから、人は学ばなければなりません。

学ばなければ、高慢と怠惰に支配されるからです。

先人に対する敬意を持てないからです。

高慢と怠惰に支配されて、敬意を持てない人の人生がどれほど不幸なものであるかは

想像に難くないでしょう。

不幸な人生を子供たちに歩ませてはならないから

学ぶことを教えなくてはならないのです。

子どもたちには幸せな人生を生きていってもらうため、

学ぶことを通して、自分の高慢さと怠惰を克服していってほしいと心から願っています。

再生時間は6分です。ぜひ聴いてみて下さい。

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2023年12月22日

同じ学校を3日連続で受験していいでしょうか? #1130

第1130回の今回は
同じ学校を3日連続で受験していいでしょうか?
というテーマでお送りします。



どうしてもA中学校に行きたいと娘が望んでいますので、
3日連続で受けてもいいでしょうか。

具体的な志望校と受験日程を検討する時期になると、
このご質問を必ずいただく。

私の答えは「だめ、絶対にダメ」

もちろんいろいろなケースがあるけれど、
3回連続で同じ学校を受けても結果は変わりません。

結論から言えば、受かる子は、どの回の試験を受けても合格します。
受からない子は、どの回の試験を受けても受かりません。
なぜなら、どの回の試験も難しさはそれほど変わらないからです。

そもそも、回によって難易度が大きく変わると考える方がおかしいのです。

受け方のコツはいろいろありますが、
気持ちを乗せていくことです。
一回の受験が終わるごとに自信を深められるようにすることです。

初めての受験で、しかも、受験生は子どもなので、心理面の配慮はとても重要です。
本番の試験で最大限の力を発揮できるように日程を組むことが大切です。

それから、もう一つ大切なことがあります。

それは、中学受験は通過点に過ぎません。
中学受験が最終到達点と考えてしまってはいけません。

視野を広く持って、こころに余裕をもって、受験校と受験日程を決めていかなくてはなりません。

私は、このことを深く心に刻んで受験指導に当たっています。


再生時間は7分です。ぜひ聴いてみて下さい。

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2023年12月15日

突き抜けろ #1129

第1129回の今回は
突き抜けろ
というテーマでお送りします。



私は、生徒に言う。
お前たち、突き抜けるんだ。

何のために勉強するんだ。
それは、突き抜けるためだ。
突き抜けて、突き抜けて天までも尽き抜けろ。

奇をてらったことは必要ない。

腰を入れて座りなさい。
丁寧に字を書きなさい。
わからないことがあったらすぐに辞書をひきなさい。
それを、すぐにノートに写しなさい。
先生の話は集中して聞き、すべてをノートにしなさい。
図を描きなさい。
問題に書かれている情報を整理しなさい。
できない問題はカードに書いて、肌身離さず持っていなさい。
覚えるべきことは正確に記憶して、即座に想起できるようにしなさい。
解けなかった問題は、何度も何度も解き直しなさい。
英語、古文、漢文の教科書は暗記してしまうまで、何度も音読しなさい。

選択し、集中しなさい。

勉強に真剣に向き合いなさい。
誰よりも勤勉でありなさい。

当たり前のことを当たり前に実践して、

突き抜けよ。

突き抜けて、突き抜けて、天をも突き抜けよ。


再生時間は8分です。ぜひ聴いてみて下さい。

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2023年12月08日

入試が怖いんです #1128

第1128回の今回は
入試が怖いんです
というテーマでお送りします。



今頃になりますと、試験の結果が出るのが怖くて、
勉強が手に着かないという人が増えてきます。

では、なぜ、試験の結果が怖いでしょうか。
理由は簡単で、勉強してこなかったからです。

今までの、自分の勉強不足を思い知らされているからです。

私は、十分に努力した、と思える人が恐怖に支配されることはありません。
試験まで、できるだけの努力をしていこう。
試験当日、試験場に武者震いしながら入室し、
できる問題を着実に得点していこうと明鏡止水の心境で、試験開始の合図を聞くことでしょう。


勉強してこなかった人は、落ちたときの言い訳を考えます。
勉強して試験に合格するにふさわしい実力をつけようとして、
一心に勉強するのではなく、
落ちたときの言い訳を頭でぐるぐると考えています。
勉強しているふりをしているだけで、本当は勉強など全然していません。

試験に落ちても殺されるわけではないので、怖いというのは嘘です。

単に、自分のプライドを傷つけたくないと、
自分のプライドを守ることにしがみついているだけです。

一番体裁のいい言い訳は、病気になること。

そう思った人は、病気になります。

丁度うまい具合に、インフルエンザがはやる時期ですから、インフルエンザにかかります。
そうやって、勉強ができなかった理由を作ります。
結果的には合格できないことの都合のいい言い訳を作れたことになります。

勉強をしなくては合格しません。
勉強をして実力を身に着けて、その結果合格するのです。
これが、正しい考え方です。

でも、試験が怖いという人は、

勉強をしなくても合格したいと思っているのです。
あるいは、勉強をしなくても合格できるという考えにずっとしがみついてきたのです。

いつまでたっても大人の心を持てず、努力を嫌だ嫌だと言っていたいからです。 

なんとも虫のいいことです。

真剣に努力している受験生や、
問題作成や採点にたずさわってくださる受験校の先生方にとても失礼な事です。

自分の虚栄を守ることしか考えない人は、どんどん視野が狭くなっていきます。
多くの人の働きによって、自分の受験が支えられていることがわかりません。
そのことに対する感謝などは思いもよらないことになります。

独りよがりになり、自分の人生の可能性を自ら失い、自滅していきます。

そうならないためには、どうするか。
ただ努力するだけです。

真摯に努力するだけです。

折角受験という機会を得られたのですから、
その機会を最大限生かして、成長して欲しいと心から願っています。


再生時間は8分半です。ぜひ聴いてみて下さい。

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