2024年07月26日

「未来予測回路」をうまく手なずける #1161

第1161回の今回は
「未来予測回路」をうまく手なずける


というテーマでお送りします。



この位やったらこのくらいできるようになるだろうという予測能力」

これを勉強予測回路と呼ぶとしよう。

「この問題をやったら次は何やればいいの」とか
「この問題集を終わったらどのくらいできるようになるの」とか
尋ねてくる生徒、児童がいる。

実は、こういう質問を投げかけてくる生徒、児童の成績は悪い。
勉強が順調に進んでいる生徒・児童は、こういう質問をしてこない。
なぜから、彼らは、自分で予測ができるからだ。

自分なりの予測ではあるので、指導者の考えとは大きく異なることもあるのですが
予測する能力があって、予測精度に自信があるので
こういう質問はする必要がなく、こういう質問をしてこない。

一言でいって「勘がいい」わけです。

中学受験の大切な役割に、
「勉強予測回路の養成」がある。

人生最初の受験であり、それに向かっての受験勉強で、勉強予測回路をまず作るのです。

勉強予測回路には正の部分と負の部分があります。

正の部分は、予測ができるので自分が今どういう地点にいるのかに迷わなくなります。
だから、日々の勉強に集中できます。

逆に、負の部分は、勉強予測回路があるせいで、勉強しなくなってしまいます。

これは、どういうことかと言うと、大学入試は、中学入試と比べて
必要とする勉強量が格段に多く、レベルも著しく上がります。
この差を考慮できず、中学入試のつもりで大学入試に挑んでしまうのです。

たとえば、IQが非常に高い子の場合、
「1年集中して勉強しただけで、有名中学に合格した、
だから、大学も高校3年生になってから本気になって勉強すれば東大に合格できる」
と考えている、ということがよくあります。

勉強予測回路の入れるパラメターが中学入試から大学入試に更新されていないのです。
いざ、高3になってみると、まったく追いつかないことになります。
予測が機能せず、間違った行動を生んでしまうのです。

勉強予測回路を作ることはとても大切で
継続して努力を積み重ねていくためには是非ともつくりあげなくてはならない能力です。

それと同時に重要なのは、更新していくことです。
必要とする勉強時間が1万時間と千時間では、まったく変わってくるわけです。
これを受け 入れることが必要になってきます。

これを、「大人になる」ことと言ってもいいかもしれませんし、
「成功体験はゴミ箱へ」といわれる理由でもあります。


再生時間は7分です。ぜひ聴いてみて下さい。

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2024年07月19日

夏休みに送るメッセージ「迷わずただひたすら勉強しなさい」 #1160

第1160回の今回は
夏休みに送るメッセージ「迷わずただひたすら勉強しなさい」

というテーマでお送りします。



迷わず勉強しなさい。
ただひたすら勉強しなさい。

それは、受験勉強と言う限られた範囲の、
ある人にとっては点取りゲームだと揶揄され、
そして、それがある意味正しくても、
そんなことは、若い人にはどうでもいい。

ただ、勉強をしなさい。
ただ、ひたすら覚えなさい。
どんなに苦痛を感じても、ただひたすら机にかじりつきなさい。

そういう勉強の果てに何があるか、わからなくてもいい。
そういうことは考えなくていい。

ただひたすら、勉強しなさい。
一分一秒でも、惜しんで勉強しなさい。

あなたにとっての勉強とは、机にかじりつくことです。

どんな結果が出ようとも、それは自分で経験しなくてはわからないこと。

自分で経験するには、自分自身でやってみるしかありません。

スマホ、タブレット、ゲーム、漫画、友人、趣味、あらゆることをゴミ箱に捨てて、
机にかじりつきなさい。

あなたにとっての勉強は、余計なものが何もない部屋に閉じこもって、
一日中机にかじりつくことです。


再生時間は8分です。ぜひ聴いてみて下さい。

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2024年07月12日

勉強とは忘却と言う逆流を上ること #1159

第1159回の今回は
勉強とは忘却と言う逆流を上ること


というテーマでお送りします。



勉強とは、
忘却と言う逆流を上ること。

だから、何度も何度も同じことを繰り返す必要がある。

ただ、同じことを繰り返しても、繰り返すたびに新しい発見やより深い理解が
生まれていく。
それが、知識が深化していくプロセスだ。

短い間隔で繰り返すから、深化するのであって、
もし、その間隔が長いものであったら、深化は起こらず、
単なる想起をするだけになる。

では、学習の間隔を減らすにはどうすればいいか。
それは、単純に学習時間を長くするしかない。
ここは、腹をくくらなくてはならない。
腹をくくって死ぬ気で、勉強に狂わないと勉強は身にならない。
24時間、問題と向き合う覚悟が必要だ。

これは、若年から意識して訓練する必要がある。
青年になったからといって、それができるわけではない。

とにかく、腹をくくって、勉強時間を一分一秒でも多くすること。
がむしゃらに勉強をすること。

もし、成績を伸ばしたい、結果を出したい、
でも、まだ結果が出ていないという人は、
まず、自分の勉強時間を計測することから始めて欲しい。

特に若い時の勉強の多寡は、その人の人生を決める。
頑張って欲しい。

再生時間は6分半です。ぜひ聴いてみて下さい。

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2024年07月05日

一生にわたって脳を育てる #1158

第1158回の今回は
一生にわたって脳を育てる

というテーマでお送りします。



脳を育てることは一生にわたる大事業です。

この認識が大前提です。

人生100年の時代から130年の時代になろうとする現代において、
この認識はより大きな意味を持ちます。

脳の能力を育てるにあたって注目すべきことは、多岐にわたりますが
メタ認知を拡大することが脳の能力を上げる、という理解です。

子どもは、自分のことしかわかりません。
例えば、誰も読めない乱雑な文字を書き続ける子供がいます。
第三者は、その解答を判読できないという簡単なことが分かりません。
脳が発達していないからです。
だから、脳を発達させなくてはなりません。

脳が発達していない生徒にいくら説教をしても、叱りつけても、ほとんど無意味です。
第三者から自分を見たらどう見えるか。
そういう問いかけを発し続ける必要があります。

「あなたはこの文字が読めますか」
「先生はこの文字を読めますか」
こんな風に、まわりの大人は絶えず問いかけ、確認をしていかなくてはなりません。

多くの人が、ある時からこんな疑問を持つようになります。
自分はどんなことに向いているのだろう。
自分は何のために生きていくのだろう。
そういう疑問を持つようになります。

そういうときに、
自分ではなくて、

人は、人生から問いかけられている存在である。
人は、人生からの問いかけに具体的に答えなければならない。

という180度回転した考えが必要になります。

これは、ヴィクトール・E・フランクルが言ったことなのですが、
脳を発達させるのに非常に有効な考え方でもあります。
人を幸せにする考え方でもあります。

結局、教育や躾の目的は、子どもをこのような考え方が普通にできるように
導くことだと思っています。
そうやって、脳を発達させ、幸せな人生を選べるようにするのです。

「私は今、この人生で、何をすることが求められているんだろう」
と日々問い続けて、生きてまいりましょう。


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2024年06月28日

その生徒にとって最適な問題を解くことの重要さ #1157

第1157回の今回は
その生徒にとって最適な問題を解くことの重要さ

というテーマでお送りします。



適切な問題を解くこと。
自分の手で鉛筆をもって、
問題に思考を集中させること。
考え続けること。

これが勉強することである。

しかし、ここで問題がある。

適切な問題とはどんな問題のことを言うのであろうか。

東京大学を初めとする、一流と言われる大学の問題は、いい問題が多い。
多数の優秀な教官が時間と手間を注ぎ込んで作られているのがよくわかる。
入試問題は、日本が世界に誇る文化の一つだとも思う。

しかし、初学者がいきなりこのような問題に挑戦することも無謀であることも確かだ。
最初は公式をそのまま適応する問題や計算問題から解き始める必要がある。
公式の導出を何度も繰り返して、暗記してしまうことも必要だ。


何が言いたいかと言うと、
生徒の状況に合わせてやることが変わるということである。
小学校低学年で過度に難しい問題をやらせようとする親が後をたたない。
小学校低学年向けの問題だと、児童には難しくて手も足も出ない問題でも
大人にとっては簡単だからだ。

だから、子どもに過度な難問をやらせようとする親が非常に多くなる。

また、この需要を満たそうとする教育産業も多い。
教育産業にあおられて、子どもに過度な難問をやらせようとする親がますます増える。
このことの弊害は大きい。


過度に難しい問題をやらせると、子どもはどうなるか。

適当な答えを書くようになる。
当てずっぽうに、何も考えずに答えを書くようになる。
まわりの大人が業を煮やして、答えを教える。

こういうことを繰り返すと、どうなるか。

適当に思いついたことを答えることを繰り返して時間をやり過ごし、
大人が答えを教えてくれるまで待っていればいいのだと思うようになる。
思考することを放棄してもいいと思い込んでしまう。

さらにこれを繰り返すと、適当に間違ったことを答えているうちに、筋道立てて考えることが
出来なくなってしまう。思考が破壊されてしまうのだ。


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2024年06月21日

プロセス重視がなぜ大切か #1156

第1156回の今回は
プロセス重視がなぜ大切か

というテーマでお送りします。



「今度のテストで80点以上とったら、ゲームを買ってあげる」

こういう取引を親は子供と絶対にしてならない。
子どもと親は対等ではないので、そもそも取引は成立しない。
子どもと取引をすることで、子どもが、親と対等であると誤解を増長させるので、
教育や躾が不可能になってしまう。

教育や躾を行うには、親に権威が必要で、子どもには権威を敬うことを
教えなくてはならない。だから、家庭にご仏壇や神棚をお祀りすることは教育に
とっては不可欠のものと言ってよい。

「いつでもお天道様が見ているから、悪いことはしてはだめだ」
「どんな時でも、お天道様が見ているから、陰日向なく全力で努力しなくてはらない」
「いつでも、どんなときでもお天道様が見守ってくださる」

という教えは、個人の能力を養い、発揮させる上でこれほど重要なことはない。

ここでは別の側面について話したい。

注目しなくてはならないのは「結果」ではなくて「プロセス」である。
ましてや、結果を評価することでもない。
結果を評価することほど無意味で有害なことはない。

ある高校生がいた。
定期試験で、数学は満点をとり、物理は零点だった。
母親に「二科目をあわせたらゼロよ」と言われたそうだ。
こうした言動はすべてを破壊する。


そもそもの話からする。
人は目前のことしか認識できないようになっている。
例えば、100万年前のことを考えてみる。
いつどこから猛獣が襲ってくるわからない。
いつどんなふうに天候が激変するわからない。
この食べ物を食べたら、次はいつ獲物が取れるかわからない。
だから、何をおいても、できるだけ早く獲物を狩らなくてはならない。

刻一刻と急激に変化する状況に、全力を集中させなくては生きていけなかったのだ。
長期的な事など考えられないし、考えることは即、死を意味していたのだ。
何年か先にある試験を目指して勉強することなど、人は、本来できないのだ。

瞬々刻々起こる予測不可能な緊急事態の連続に対応していくしか生きるすべはなかった。
これが、毎年初詣で神様に祈ったことが、実現しない理由なのだ。
習慣形成の大切さはわかっていても、良い習慣を身に着けることが難しい理由なのだ。

では、どうするか。

眼前のことしか集中できないという人の性質を逆手にとって、利用すればいい。


再生時間は7分半です。ぜひ聴いてみて下さい。

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2024年06月14日

参考書・問題集は全部買いなさい ー正しい本との付き合い方 #1155

第1155回の今回は
参考書・問題集は全部買いなさい ー正しい本との付き合い方
というテーマでお送りします。



職業柄、書店の参考書売り場によく行きます。

そうすると、親子で参考書を選んでいる生徒、
家庭教師と一緒に参考書を選んでいる生徒、
スマホでアマゾンのレビューを読みながら選んでいる生徒、
友人同士でわいわいと相談しながら選んでいる生徒、
いろいろな生徒に出くわす。

どれも、時間の無駄だと思う。
こんなことをしている時間があったら、勉強したらいいのにと思う。

そして、「全部買え」と心の中でつぶやく。
親は全部買って、本棚にすぐ手に取れるようにして、保管しておけばよいのです。

なぜか。

絶対的にいい本というのはないからです。

ある人にとっては役に立っても、別の人にとっては役に立たない。
これは、当たり前のことです。

そして、本の良さは本屋ではわからず、使っているうちにわかってくるものだからです。

書店でいくら吟味しても、その良さはわかりません。
繰り返し、見て、読んで、調べて、その本の良さがだんだんにわかってくるのです。
そうやっているうちにあなたにとっての最高の本がわかるのです。

最高の本を見出した瞬間、合格はあなたのものになっているのです。

再生時間は4分半です。ぜひ聴いてみて下さい。

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2024年06月07日

敬意こそ創造の源である #1154

第1154回の今回は
敬意こそ創造の源である

というテーマでお送りします。



敬意のないところに教育は機能しません。
敬意は教育の母であり、父です。

歴史に対する敬意

先人に対する敬意

学問に対する敬意

先生に対する敬意

敬意を感謝と言う言葉に入れ替えることも重要です。
先人の努力があるから、今の幸せがあることを教えるのが教育とってもよいのです。
水道水が飲めること、時間通りに来る電車、大災害にも耐える建物、道路、橋。
皆、先人の努力があることを片時も忘れてはなりません。

そのことを理解できるようになり、さらに、その努力の上により素晴らしい国をつくって
いくことを教えるのが教育です。
日本が発展し、人類史上経験したことのない豊かさを実現してきたのは、
自分の言葉である日本語で勉強できるからです。

これを当たり前の一言で済ませてはいけないのです。

なぜ日本語で勉強できるか。
それは、明治時代に学術用語をすべて日本語に翻訳したからです。
それによって、日本語で学習し研究することができるようになったのです。
入門から上級過程までのすべてを日本語で学び研究することができるのです。
これができる国は、世界でも数えるほどしかありません。
我々日本人は日本語で学べることのメリットを最大限に享受してきたのです。

敬意のないところに進歩はありません。
敬意がないとは、高慢であるということです。
高慢であるとは、無知が原因です。
無知であることを気づかないか、故意に無視していくのが高慢という態度です。
ここに進歩はありません。
敬意をもつことは謙虚であることを意味します。
謙虚であるからこそ、首を垂れて、先人の教えを学ぶことができるのです。
そして、日々、進歩することができるのです。

敬意こそ、充実した人生の源泉です。


再生時間は9分です。ぜひ聴いてみて下さい。

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